2015年09月24日

第12回「富士ハウス 経営破綻の後始末」

今回は大手ハウスメーカー「富士ハウス」の経営破たんのお話です。
2015年1月20日富士ハウスの破産をめぐる被害者との訴訟で、高裁判決が確定しました。
原告団127人のうち33人に限って元社長に賠償を命じるというものです。
最初の静岡地裁判決では原告団127人全員の請求通りの金額が認められたにもかかわらず、これを不服として行われた控訴審で、127人中94人が賠償を受けられなくなるというものだったのです。
賠償を受けるか受けられないかの分かれ目は、社長が破産を知る前の契約か、それとも破産を知った後の契約かというタイミングでの振り分けのようです。
富士ハウスの経営破綻は、
・2009年1月29日東京地方裁判所に破産手続開始の申立
・同日午後6時に同裁判所から破産手続開始決定
という経緯ですが、それに先立つ2週間前
2009年1月15日メーンバンクである静岡銀行が支援打ち切りを宣言しています。
東京高裁は、元社長が自社の破産を認識したのは、銀行支援打ち切り時点だとして1月15日以前に契約した94人に対しては倍賞の請求を認めないと判断していました。
富士ハウスの倒産は民事再生法や会社更生法ではなく、事業の再生を目的としない破産法による手続きだったので、被害者にとっては青天の霹靂だったことでしょう。
また、完成保証制度を利用していなかったため、未完成物件への対応がすんなり引き継がれなかった点も 当時大きく取り上げられました。
更に「着工前に工事費の7割を振り込んでいただければ大幅値引きします」などの言葉を信じて振り込んだが着工直前に倒産され、引き渡しを受けられないという、泣くに泣けない被害者がたくさん出たことから、会社ぐるみの詐欺ではないかとも疑われました。
それほどまでにこの契約条件は社会的にありえないものだったのです。

その後、富士ハウスの残務を引き受けたのは、「らいずほーむ」という会社です。
この会社も2014年5月に倒産しています。わずか5年の運営でした。
結果的に事業を立て直すこともできず、富士ハウスと同様にたくさんの被害者を生み出してしまったようです。

住宅に関わる業者の中には、かくもいいかげんな人もいるのかと暗澹たる気持ちになります。
しかしながらそのような悪徳業者であると誰でもが簡単に見破ることは容易ではありません。今回のような詐欺まがいの手口には簡単に乗らないように気を付けましょう。また、少しでも不安に思うような契約なら、是非当会の建築士にご相談ください。
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posted by 住まいづくりの会 at 15:54| 欠陥住宅の話

2015年04月22日

第11回「わが家もいよいよ夢のマイホームを!の前にA」

前回は家を建てる時の選択肢の内、「ハウスメーカー」の特徴について考えてみましたが、今回は「建売住宅」・「工務店の設計施工」・「設計事務所」の三つについて考えてみましょう。

@ 建売住宅の場合 のぼり.bmp
建売住宅の場合も、実物を見てから購入できるといった利点があります。しかし、建ってしまっている故の欠点もあります。基礎は適正なのか、耐震性能は充分か、構造材はどのようなものを使っているのかなどがかくれてしまって何もわかりません。見えないことをいいことに粗悪な建物が多いのも実状です。 また、「他のお客さんが契約を希望されています」などとせかされて、冷静な判断ができない場合もあります。
A 工務店の設計施工の場合
工務店の場合、知人やその紹介などによるケースが多いようです。しかし、設計は自社ではできないので他の設計事務所に依頼するという場合が多く、役所への申請業務だけで、充分な打ち合わせや詳細な図面を書くこと、現場監理などは十分におこなわれないために、建築主の要望を取り入れた満足できる家とはなかなかなりません。
したがって、工務店を無条件で信用することになり、その工務店の技量や工事費の比較もできず、「これで精一杯です」 と言われれば、その価格で契約するしかないので、一般的に高くなる傾向にあります。
B 設計事務所の場合
設計事務所は、ハウスメーカーや工務店と違い、唯一建築主の代行者として仕事をおこないます。打合せ時間を充分にとり、構造、仕上げ等細部にわたって建築主の希望を具体化してゆきます。また、設計事務所に依頼した場合、工務店の選択は基本的に数社による競争入札になります。したがって、他の方法にくらべて安く建築することができます。それで設計料等が充分おぎなえるのです。
工事についても、施工は適正であるか、また図面の指示どおりの工事がおこなわれているかなどを常に現場でチェックしますので、一番安心な方法といえます。
しかし、たまに「デザインばかり重視して、こちらの要望をあまり聞いてくれなかった」などと聞くこともあります。設計事務所ならすべて良いというわけではなく、自分達の希望どおりにやってくれるのか確認した上で選定することも大変重要です。
posted by 住まいづくりの会 at 16:37| 欠陥住宅の話

2015年03月11日

第10回「わが家もいよいよ夢のマイホームを!の前に@」

「だけど、ハウスメーカー、工務店、それとも設計事務所。いったいどこにお願いしたらいいの?」について考えてみます。

住宅を建てるのに依頼先として、考えられる選択肢の内、今回は「ハウスメーカー」の特徴について考えてみましょう。

展示場で具体的に建物が確認できることなどから、一番都合よく住宅を手に入れることが出来るといった印象があります。しかし、ハウスメーカーの場合、工事契約をしないと設計が始まらないという場合があります。これでは順序が逆で、本来は、まず設計をおこない、その設計に基づく建物がいくらになるかとされるべきで、どんな建物になるかわからないのに金額の書かれた契約書に判子を押すなんておかしな話です。ですから、自分の希望が反映されないままどんどん進んでしまったなどというトラブルが多いのも事実です。
モデルハウスは、見栄えを優先して高級グレードで造られていますので実際のものとは違います。したがって、「モデルハウスと全然違ったものができた」などという声も聞きます。また、宣伝などにある「坪○○万円」との価格には地盤改良やエアコン、屋外の電気配線や排水設備などの工事費が入っていません。さらに、より快適に住める状態にする為に「キッチンや浴室などをもう少し良くしたい」などとなると結局、坪70万円から80万円を超えることになってしまうのです。ですから、建設費の予定が全く違ってしまったなどという声も良く聞きます。
そもそも、ハウスメーカーの仕事は基本が販売なので、実際に工事をおこなうのは下請けや孫請け業者です。ハウスメーカーにも現場担当者はいますが、多くの現場を担当しますので現場管理が行き届かず、どうしても下請業者まかせとなりがちになり、トラブルの発生が多いのも実状です。また、数年前には某大手ハウスメーカーが着工前に工事費全額を言葉巧みに振り込ませ、直後に倒産するなどの悪質な事件も起きており、「大手ハウスメーカーだから安心」ということは必ずしも言えません。0012.bmp





posted by 住まいづくりの会 at 16:36| 建築よもやま話

2014年11月26日

第9回「地盤と基礎のはなし」

今回は、建物の構造で一番基本的な部分である地盤と基礎のお話です。

1. 地盤調査って必要なの?
地盤調査とは建物直下の地盤に家を支えられる強度があるかどうかを確認する為に行います。
一部に木造住宅程度なら調査は必要ないという業者もいる様ですが、間違いです。名古屋市南部は数百年前までは多くの部分が海で、熱田神宮の側まで船で乗り付けられる程海岸線が入り込んでいました。現在は埋め立てられていますが、この様な地盤がほんの数百年の間に良好な地盤になる事はありません。また、他の地域でも濃尾平野は稲作が盛んだった為に水田・水路・ため池などを埋め立てて出来た住宅地である事が少なくありません。
このような不安定な場所に建物を建てる可能性があるのですから必ず地盤調査を行い、その結果に基づいた地盤改良や杭打ちなどの地盤補強を行いましょう。

2. スウェーデン式地盤調査は信頼できるの?
今、住宅を建てる際に最も一般的な調査方法がスウェーデン式です。この方法は土質が推定でしかわからない、調査深度に限りがある等の欠点が以前から知られており、あくまでも最低限の結果を得る方法でしかありません。
これに対し、「標準貫入試験」と呼ばれる調査方法は、若干費用は掛かりますが土質はサンプルを採取するので明快、深さも住宅程度ではまず不足する事の無い性能を持っており、スウェーデン式の欠点をカバーできるのでお勧めです。
ほかにも、建物を建てる位置から離れて調査を行っても意味がないこと、敷地が極端に傾斜している場合などは調査箇所を増やすべきなど地盤調査に関して注意すべき事柄は沢山あります。

 
3. ベタ基礎や地盤改良ならどんな地盤でも安心では?
昨今、建売住宅のチラシ等を見ているとベタ基礎を採用した為、さも建物が堅牢であるかのような表現が目に付きますが、それで丈夫になる訳ではありません。過去の欠陥住宅裁判ではベタ基礎の住宅が不同沈下により傾いた事例は沢山あり、これは地盤補強はおろか、地盤調査すらも行われていなかった為、地盤が強度不足であることを把握しないままに建物を建てたことが原因です。
また、地盤改良も同様に、建物を支持する地盤へ到達しないままに終了するようなズサンな工事をしてしまい、宙ぶらりんの状態で建物が傾いた事例も決して少なくありません。

地盤が沈下するのは天災だという人もいますが、その為の備え(地盤調査や地盤補強)を怠って建物が傾いた、らそれは人災です。そんな事にならない様、相談に乗ってもらえる建築士と家造りを進め
ましょう。
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  たとえベタ基礎でも柔らかい            硬い地盤まで杭等を施工すれば
地盤の上では建物は沈みます。             沈下を防ぐことができます                    
posted by 住まいづくりの会 at 17:01| 建築よもやま話

2014年03月12日

第8回「建築と暦」

 普段、神様仏様と考えない人でも結婚式や葬式ともなるとさすがに吉凶日を考慮します。建築の場合、高所での作業など危険が伴うので業者も十分注意して準備・作業しますが、『人事を尽くして天命を待つ』という心境でしょうか。一応神頼みもしておきたいものです。建て主にとっても一生のうちそう何度もない地鎮祭や上棟をわざわざ凶日に行うこともないと思います。
 暦には六曜・十二直・二十八宿等がありこれらを複合して考慮すべき建築吉日と忌(い)み日があり、大安吉日でも建築にとっては凶日となる場合もあります。但し、あまりこだわりだすと工事ができなくなるので六曜と十二直、もう少しこだわるなら二十八宿も組み合わせて吉日選びをするとよいでしょう。

六曜 よくカレンダーにある『先勝』『友引』『先負』『仏滅』『大安』『赤口』の事。友引か大安の日を選ぶのが好ましいですが午前中に行う地鎮祭や朝から始まる上棟は先勝の日も選択肢に入ります。

十二直 北斗七星の柄がどの方角を向いているかで、吉凶を占う方法で、昭和初期までは日取りは六曜よりこちらを重視していたそうです。
建(たつ)・除(のぞく)・満(みつ)・平(たいら)・定(さだん)・執(とる)・破(やぶる)・危(あやぶ)・成(なる)・納(おさん)・開(ひらく)閉(とず)の12種類あります。
破(やぶる)・危(あやぶ)・閉(とづ) これが建築にとって凶日とされているのでこの日以外から
選ぶようにすればいいでしょう。もちろん六曜との組み合わせも忘れずに。

二十八宿 季節を定める方法として古代中国より伝わったものでその名の通り28もあり全ての意味を知るのは大変です。今回は上棟・地鎮祭にとっての忌み日だけ挙げます。
亢(こう)・氏(てい)・女(じょ)・虚(きょ)・觜(し)・柳(りゅう)

なお、この3つの組み合わせでは吉日は月に2〜3日しかありません。工期にあまり余裕のない人、こういうことをあまり気にしない人は六曜と十二直の組み合わせでもよいかもしれません。
この他 気にした方がよいのが『三りんぼう』の日です。カレンダー2.jpg月に2日ほどあり、六曜や十二直で吉日であってもこの日に当たれば地鎮祭・上棟とも避けたほうがよろしいでしょう。科学的根拠はありませんがこの日に家造りや建築儀礼を行うと隣近所や工事に関わる人間に災いをもたらすと言われ、建築上の凶日とされています。21世紀にもなって何を言うかと思う方もいるでしょうが、大変気にする方もいます。ただでさえ建築中は近隣に迷惑を掛けるので近隣の方と工事関係者の為にこの日は避けたほうが無難です。
 他に土用の日は動土・穴掘り等の作業を慎むとされていますが建築では土用前又は間日に着工すれば良しという解釈もあります。ちなみにここまでこだわる場合は工期を相当見ておく覚悟が必要です。
こういったものは1つの価値観であり人それぞれなので『自分は何を優先すべきか』を考えてから吉日選びをするといいかもしれません。
posted by 住まいづくりの会 at 13:55| 建築よもやま話

2013年10月09日

第7回「木材と建物強度の話」

今回は建物強度と木材の関係についてのお話です。

1. 住宅に使われる木材の種類について
木造住宅に使われる木材の中で、構造的に重要な部分に使われるものはヒノキ、スギ、マツなどの針葉樹が一般的です。特にヒノキは木目が美しく、表に出る柱などによく用いられます。
木材の産地については、現在はコストの安い外国で生産された木材が主流ですが、国内にも優良な材木の産地がいくつか有りますので、工事費に余裕があれば国内材にこだわった家造りも可能です。

2. 木材の特性について
木材01.bmp木材は天然材料であるため、乾燥などにより縮みや歪み、ひび割れなどが起きます。特に、乾燥すると繊維に沿って割れる事がよく起こり、これを防ぐためには「背割り」と呼ばれる切込みをあらかじめ入れることで歪みを吸収し、ひび割れが起きにくくするという手法もあります。
また、木材は目に見えるほど長さが縮んだり、そり曲がったりする事もあるという事は心に留めて置いてください。

3. 建物強度との関係について
木材02.bmp歪んだり割れたりした木材は、一見すると強度的に劣化したように見えます。しかし、部位や程度にもよりますが実はあまり大きな強度低下は起きません。
例えば柱などはもっぱら上からの重量を支えるのが役目ですから、断面積が小さくならなければ問題なく、そのために背割りなどを入れる事も差し支えなしと考えられています。また、接合部なども適切な対処がされていれば乾燥などで少々隙間ができても大きな問題はありません。逆に施工時に必要以上に欠き込んだりするほうが強度的な問題が大きくなります。


このように木材には様々な特性があり、皆さんが実際に家に住んでみるとそれらが引き起こす現象に不安になる事もあるでしょう。そんなときに、ちゃんと相談に乗ってもらえる建築士をパートナーとして家造りをしていれば、後々不安を解消できるようなアドバイスがもらえて安心できるでしょう。
posted by 住まいづくりの会 at 17:14| 建築よもやま話

2013年04月10日

第6回 畳の話

「タタミの〜色がそこだけ若いわぁ〜♪」
お引越し・・・までしなくとも、ちょっとした部屋の模様替えでタンスの跡が畳の新しい色だった経験は皆さんお持ちでしょう。この表面部分を畳表といい、独特の色と香りが日本人の心に深く根ざしていますが、最近では外国産のものや紙で作られた畳表もあります。
1.畳表
畳表は、材料の「い草」を染土と呼ばれる泥で染め付ける事により畳独特の色や香りが生まれます。但し、近年は染土に化学的な着色剤を混ぜる事も多く、肌が化学薬品に触れる事に不安を感じるなら、天然の染土のみを使用した畳にこだわってみましょう。また、い草に残留する農薬に気をつけた商品もあります。畳表は数年毎に裏返せば両面を使用でき、最後には畳表ごと取り替えればいつまでも新しさを保つ事が出来ます。
2.畳床
 畳の中身の部分を畳床といい、元来稲わらを幾重にも重ねて作られ、この中の空気層が断熱や吸音、調湿効果を持つと言われていました。しかし近年はポリスチレンフォームという化学的な断熱材を畳床に使用した通称「スタイロ畳」と呼ばれるものが増えてきました。これは安価で軽量ですが、独特の感触などが失われるために断熱材の上下を稲わらで挟んで改良した畳床もあります。
 また、畳床は化学防虫シートで包まれることが多いので、最近は体への影響を心配して天然成分による防虫効果をうたったものも増えてきました。炭化コルクを使用した畳床はスペリンと呼ばれる天然の防虫成分により、またタンニンを含んだ柿渋シートは化学防虫シートの代わりに畳の下に敷くことにより、それぞれダニを遠ざけるといわれています。
3.畳縁
 畳縁(タタミヘリ)はたたみの外周部に畳表と畳床を覆うように被せ、縫い合わせるための布です。古来は身分により使用規定がありましたが、今は寺社仏閣で名残を残すのみです。最近人気の出てきた縁無し畳は半畳サイズを市松模様で敷き込むことにより独特な雰囲気を演出できますが、縁がないために畳表を折り曲げた部分が傷みやすく、また加工も難しいので価格が高くなる欠点があります。
4.組み合わせ
 これら畳の材料は様々な組み合わせが可能ですから、カタログなどを取り寄せて予算や目的に合ったオーダーメイドをして見ましょう。



0511 畳の構造.jpg
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2012年07月24日

第5回「建築士の役割-その3」

建築士の役割-その3

建築士の役割最終回は「工事監理」についてです。そもそも工事監理って何?

007.jpg『監理は施工会社がやればよい』と思う人もいるでしょう。施工会社は管理(工事・工程・材料や人の段取り)はしますが、監理(図面や基準法通りに施工されているかのチェック)については消極的です。誰しも自分達で採点すれば甘くなるものですし、それを厳しくすると自社に不利益をもたらす場合があるからです。またチェックを建築主が行うのも無理があります。工事状況に合わせて現場に赴くというのは片手間に出来ることではなく現場での些細に思える変更ひとつとっても建物全体に及ぼす影響を見極めるのは難しく、また当事者同士(建築主と施工会社)が衝突することにより感情的なしこりも残ります。なかには『素人は黙っとれ!』などと乱暴なことを言う業者もいるでしょう。008.JPG工事が不十分だったり図面と違う場合『やり直し』と施工会社に言うのはなかなか嫌なものですが建築主から報酬を受ける建築士は業者に嫌われてもそれを言うのが仕事です。こういう嫌なことは建築士に任せて建築主は笑顔で職人さんに接していれば『あのお客さんは良い人だから良い仕事をしよう』とよい相乗効果を生み出します。  (写真は適切な工事監理が行われず、ズサン工事で壁の内部が腐食した事例)
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2011年11月09日

第4回 「建築士の役割-その2」 

建築士の役割-その2  


                                                                                             
建築士の役割第二回はお金にまつわるお話、「見積の精査」についてです。建築士はどのように建築費に関わっているのでしょうか。。


006-2.jpg設計も終わり、さて見積となった場合、果たして数社の施工会社にツテのある建築主がどれだけいるでしょうか。いたとしても出された見積書を細かくチェックして各社と交渉できるでしょうか。そもそも何社に依頼しても各社バラバラの仕様で見積しては高い安いの判断もつきません。つまりきちんとした図面と仕様書を建築主側で用意してそれを基に各社に見積をさせないと意味がないのです。実際同じ仕様で見積しても数百万の差が出る事も少なくありません。『TVで宣伝しているから』『知り合いが安いと言っていたから』等の理由で飛び込み、たまたまそこがとてもよい施工会社ならそれは大いに結構ですが、大抵は“飛んで火に入る夏の虫”状態です。005-2.jpg『通常4000万かかるところを今週中に契約してくれたら特別に3000万にする(←ぐらりと来ますね)』『紹介してくれた人の顔を立てる為この業者を断れない』『営業マンが何度も来てくれたし良い人なので断れない』などと冷静な判断ができなくなるより設計事務所に数社の施工会社への見積依頼・精査・選定会社以外への断りをさせたほうが建築主の負担ははるかに少なくなります。
posted by 住まいづくりの会 at 17:52| 建築よもやま話

2011年07月05日

第3回 「建築士の役割-その1」

建築士の役割-その1                                                                                                      
建築士は建築主(お施主様)の希望を聞き、ゼロの状態から建物の設計図を作成し、その工事監理をするのが仕事です。1企画・設計 2見積の精査 3工事監理 これらの業務を行い、建築主から報酬をいただいております。
今回はその第一回として、「企画・設計」を取り上げます。

企画・設計
003.bmp『設計事務所に頼むと設計料がかかるし、あれは豪邸を建てる人が頼む所だよ』『施工会社なら無料か安くやってくれる』使い古されたフレーズですが無料のものなどありません。打ち合わせや図面作成に要した人件費その他経費は建設費に上乗せされる上、その内容は“施工側にとって都合のよい設計”であり自分たちがやりたくない内容(儲からない仕様)にはせず、なおかつ結果使いづらい家になろうとも“お客様のおっしゃる通りの間取り”にします。004.bmpその為数年もすると『何故あの時施工会社はアドバイスしてくれなかったんだろう』と思いながらリフォームする羽目に陥り、無駄な出費をしてしまうケースもあります。『工務店が連れてきた設計士に設計料を払ったからちゃんと設計してくれる』こう思う方もいるでしょう。確かに法令違反のない設計はしてくれます。しかしその設計士にとってのクライアントは建築主ではなく仕事を紹介してくれた工務店ですのでどちらを向いて仕事をするかは言わずもがなです。何度失敗しても建替えのできる人はともかく、耳の痛い事(アドバイス)も言うが建て主の立場に立って設計できる独立した建築士が必要です。
posted by 住まいづくりの会 at 16:40| 建築よもやま話