2019年08月28日

第21回「住まいの断熱が大事な理由」

○ヒートショック
冬に家の中が寒いと、脳梗塞や心筋梗塞を起こしやすい、という話題は時々テレビや雑誌などで見聞きするかも知れません。
家全体が寒いということはあまりなくて、リビングは温かいけど廊下が寒い、とか、浴室は温かいけど脱衣所が寒い、など温度差が大きく違う場所の出入りが急激な血管の収縮を引き起こし、血圧が高くなることが知られています。
こういう体の変調を「ヒートショック」と言い、年間で1万人を超える高齢者が亡くなっていて、この数は年々増えているそうです。
○必要な対策は住まいの断熱です。
国は、省エネルギーを今まで以上に進めるために一般住宅の断熱性能を高める政策をとっていますが、高断熱住宅はヒートショックの防止の観点からも有効だ、という報告を2019年に国土交通省が発表しました。(「断熱改修等による居住者の健康への影響調査 中間報告(第3回)」)
http://www.mlit.go.jp/report/press/house07_hh_000198.html
概要は以下のとおりです。
1. 室温が年間を通じて安定している住宅では、居住者の血圧の季節差が顕著に小さい。
2. 居住者の血圧は、部屋間の温度差が大きく、床近傍の室温が低い住宅で有意に高い。
3. 断熱改修後に、居住者の起床時の最高血圧が有意に低下。
4. 室温が低い家では、コレステロール値が基準範囲を超える人、心電図の異常所見がある人が有意に多い。
5. 就寝前の室温が低い住宅ほど、過活動膀胱症状を有する人が有意に多い。 断熱改修後に就寝前居間室温が上昇した住宅では、過活動膀胱症状が有意に緩和。
6. 床近傍の室温が低い住宅では、様々な疾病・症状を有する人が有意に多い。
7. 断熱改修に伴う室温上昇によって暖房習慣が変化した住宅では、住宅内身体活動時間が有意に増加。


断熱性能が高い家は急激な血圧上昇が少なく、暮らしにおける活動が活発になる、ということです。住まいの断熱性能が高くなると、健康的な生活を送ることが出来て、不慮の事故が減ることが国の調査により明らかになりました。
○暮らしの中でのヒートショック対策
断熱性の高い住宅の新築や断熱改修工事以外でのヒートショック対策はなにか無いでしょうか。日本気象協会などが参加する「STOP!ヒートショック」のウェブサイトではヒートショック対策として浴室に関して7つの「温度のバリアフリー化」を提案しています。https://heatshock.jp/map/
1. お湯はり時に浴室を暖める。
2. 脱衣室も暖めておく。
3. 湯音設定は41℃以下に。
4. 入浴前に家族に一言かける。
5. 入浴前に水分を取る。
6. かけ湯をしてから入る。
7. お湯に浸かるのは10分以内
浴室以外では、やっぱり窓の改修など建築工事を伴うものになってしまいますが、家族に心配な方が同居しているのであれば検討して下さい。
2019年度現在、省エネリフォームや新築住宅に関しては減税などの措置を受けることが出来ます。また経済産業省による省エネリフォームに対する助成金制度や住宅ポイント制度(※1)も有ります。
https://www.ecoglass.jp/index_rs7_hojokin_030.html
断熱性能を考えた家づくりやリフォームをお考えの方は安心・安全住まいづくりの会(http://www.sumaidukuri.com)の建築士にご相談下さい。

※1助成金制度や住宅ポイント制度などは内容が変更されることがありますので、その都度当会建築士へご相談ください。
posted by 住まいづくりの会 at 17:01| 建築よもやま話