2019年08月28日

第19回「住宅の地盤について」

〜最悪の事態をまねく前に!〜
1、昔と今の住宅の土地事情
今の建物の基礎は昔の建物の基礎に比べて強固にできているのに、なぜか建物の沈下等の問題が多発しています。建物の沈下が問題なのは、単に建物の安全の問題だけではありません。地盤の上のことなら壁をめくって補修は可能ですが、基礎は補修するのに多大な費用がかかり、場合によっては建て替えなければならないことにもなりかねません。
昔は建物を建てる場合、適した場所にしか建てませんでした。しかし、今は、人口増加や都市部への人口集中、また、それに伴う土地価格の上昇などによって住宅用の土地が取得しにくくなり、田んぼや池を埋め立てたり、山を切土・盛土をして平らに造成して宅地を増やすことになりました。
その中で一番危険なのが盛土の土地です。地盤は長い年月を経て締め固まってゆきますが、最近盛土したような土地は閉め固まっておらず、その上に安易に家を建てると沈下してしまいます。
2、法律は住宅の地盤と基礎についてどのように規定しているか
  以前の法律は、「地盤の沈下や変形に対して安全なもの」としか規定されておらず、漠然としたものでした。しかし、平成12年に建築基準法が改正され、地盤の硬さにより基礎の形式が規定されました、それによると「1uにつき20kN(キロニュートン)以下の場合は杭打ちとし、20kNから30kNの場合は杭打ち、若しくはべた基礎、30kN以上の場合は杭打ち、べた基礎、若しくは布基礎としなければならない。」と規定されました。また、この規定により、地盤調査によって地盤の固さを測定する必要が発生し、地盤調査することが必須となりました。
しかし、この基準はあくまで最低基準であって、この基準を守れば絶対に建物が沈下しないというものではありません。仮に、「建築基準を守っているので安全です。」などという業者さんがいたら気を付けなければなりません。
3、地盤調査の方法
  ハウスメーカー等で多用されているのがSWS試験(スウェーデン式サウンディング試験)です。利点は安価でおこなえることです。しかし、地中の石などに当たった場合はそこで止まってしまい、実際より高い数値がでてしまいますし、それ以下の部分の調査ができません。また、地質や地下水位が分からず、液状化現象の危険性を見逃す可能性があります。確実な方法としては標準貫入試験(ボーリング試験)を用いることです。この方法は正確な数値が得られますし、地下水位も分かり、標本もとれますので地質も確認できます。
4、傾斜地の危険性
  傾斜地や、もともと傾斜地であったところを造成した土地の場合、下の方の地盤は硬くても大雨や地震のときに地すべりの危険があります。事前に十分な調査と対処が必要です。
5、砂質地盤の危険性
  地盤もただ硬ければ良いということではありません。砂質地盤で、且つ、地下水位が高い土地は地震のときに液状化の恐れがあります。ですから、先に述べたように地質も、地下水位も確認できる標準貫入試験が重要となるのです。名古屋市などは液状化しやすい土地を地図化(液状化マップ)していますので、少なくともそれは確認しなければなりません。また、最近ではインターネットで古地図なども見られますので、昔はどのような土地であったか確認するのも良いでしょう。
posted by 住まいづくりの会 at 16:42| 欠陥住宅の話