2019年06月26日

第18回「収納の見える化」

収納の問題と言うのは、何故か知らないうちに増えていく物との戦いです。
設計段階でのリクエストでも多いのが『なるべく多くの収納スペースが欲しい』ですが、それで家が片付くわけではありません。本当は収納ではなく、多すぎる物を処分すれば解決できることなのですが、皆が皆 実践出来るわけでもありません。片付や処分が不得意な人には『見える収納』が向いていると思います。家族の誰もが実践できるよう、見つけやすく、取り出しやすく、片付けやすいスペース造りです。他の人は散らかしっぱなしで奥様一人だけが片付け続ける…というのでは長続きはしませんので。
例えば玄関から直接クロークに入り、そこで靴やコート、上着などを脱いで部屋に入る。
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そうすればリビングの床やソファーの上に上着などが置きっぱなしになる事もなく帰宅後すぐにくつろぐ事ができます。クロークの扉を閉めてしまえば玄関やリビング等からこの部分が見える事もないので、中が雑然としていても気にならず、一瞥するだけで皆が物を定位置に置くことが可能になります。
必然的に物が多くなるキッチンにも、奥まった場所(リビングなどから見えない位置)に可動式のオープン棚を設けるのも一つの方法です。
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扉などで隠さないことにより何が置いてあるかすぐ分かるのでストックの重複を防ぐ事ができ、取り出したものを元に戻すことも簡単になります。扉を開けるという動作が一つ加わる事により片付が億劫になる人には向いています。また常に見えている事により『これはこちらに配置し直した方が便利かも』『もう少し綺麗に整理しよう』という考えも芽生えてきて、整頓や不要な物の処分という次のステップに進むことも可能になります。
収納の仕方というのは人それぞれで、設計者が良かれと考えて設計した収納スペースも住む人に合っていなければ結局片付かない家になってしまいます。ですから設計中の打合せはなるべくご自宅のリビングで行う事、または自分たちの暮らし方を設計者(建築士)に度々見せる事をお勧めします。そうする事により、設計者は住む人に寄り添った家づくりが出来るようになります。
posted by 住まいづくりの会 at 13:04| 建築よもやま話