2017年05月24日

第15回「クレームのお話」


 以前、弁護士の先生経由で建物調査の依頼を受け、現地へお伺いした時のお話です。
建物はごく普通の工務店が設計施工で造った新築木造住宅なのですが、依頼主曰くとにかくひどい欠陥住宅であちこちいい加減な工事ばかりで納得がいかない、建て直させたいので裁判の為の資料を作ってほしいとの事。

 現地で調査してみると確かに良い仕上がりではないものの、裁判に訴えるほどのいい加減な工事ではないようです。依頼主に話を聞いてみると久しぶりに会った遠い親戚の工務店に「これはひどい欠陥住宅だ。うちではこんなズサンな工事は絶対しない。」といわれ、造った工務店に訴えるぞと怒鳴り込んだものの相手にされず、弁護士の先生を頼ったとのことでした。とても建て直しをさせるほどのひどい建物ではない旨を依頼主に告げると、「お前は信用できない、調査はもういらない」といわれ物別れに。

後日弁護士の先生から連絡があり、依頼主が相談に乗ってほしいとのこと。詳しく聞くと、遠い親戚の工務店に裁判の資料作りをお願いしたところ「ひどいとは言ったが裁判で勝って建て替えができるとは言っていない。鵜呑みにして動いたのはあなたの勝手であって私には何の責任もない。」といわれ、また造った工務店からは裁判になるから手直し工事もアフターサービスもしないといわれ、八方塞がりになってしまったようです。

この依頼主の失敗は、無責任な人間の言葉を鵜呑みにしてしまったことです。結果、造った工務店との関係が途切れ、アフターサービスを受けることもできなくなってしまいました。
「裁判だ!」などと騒ぐ前に、まずは信頼できる建築士に調査を依頼しましょう。

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posted by 住まいづくりの会 at 17:21| 建築よもやま話